『火喰い鳥を、喰う』:ちょっと中途半ばな感じ・・のホラー映画
■ お勧め度
★★★☆☆(星3つ)
夏の信州に訪れる戦慄の怪異。少しひねった恐怖のホラー作品です。
■ こんな人・ときにおすすめ
直球のホラーよりも、じわじわと現実が崩壊していく奇妙な世界観を味わいたいときに。出演している役者さんの魅力や、メリハリのある美しい映像美を堪能したい人に。
1. 届けられた祖父の手記、夏の信州を侵食する異界の恐怖
舞台は、どこか哀愁の漂う夏の信州。
そこに暮らす主人公の若夫婦のもとに、ある日、はるか昔の戦争で死んだはずの祖父が遺した手記が届けられます。それをきっかけに、彼らの日常に恐ろしい怪異が始まり……。
次々と倒れていく周囲の人々、そして目の前の現実をじわじわと侵食していく「別の世界」。
過去の戦争の記憶と現在の怪異が交錯する、不気味な物語が幕を開けます。
2. 独特な恐怖の質感と、少し間延びしてしまったストーリー構成
本作の特徴であり、好みが分かれそうなポイントはいくつかあります。
まず、全体を通して「ちょっと長いな」という印象が拭えません。そこまで複雑な話ではないのですが、テンポが少し緩やかで、全体的に間延びした感じがしてしまいます。
また、恐怖の質も「ちょっと複雑な怖さだな」と感じる仕様です。お化けが突然出てきて直感的に怖い、気持ち悪いという驚かせ方ではなく、自分たちのいる現実が少しずつ崩れていくような、精神的に訴えかけてくるタイプの怖さになっています。
3. 存在感を放つキャスト陣と、対比が素晴らしい映像美
そんな少し惜しい構成の中で、役者さんたちの演技はとても光っています。
Snow Manの宮舘さんは、どこか影のある不気味な雰囲気をまとっており、作品の中で非常にいい味を出していました。そして山本美月さんは、画面に映るたびに本当に綺麗だなとため息が出ます。
さらに、映像に関してはさすがの一言。戦争の舞台となった南の島の鬱蒼としたジャングルと、どこかノスタルジックな信州の夏の風景。この2つのロケーションが持つ綺麗な映像美が、映画のクオリティをしっかりと支えています。
4. まとめ:惜しさはあるものの、役者と映像の美しさが光る一編
テンポ感や怖さの持っていき方に「ちょっと中途半端な感じが……」と物足りなさを覚えてしまう部分はありますが、独自の不気味な空気感はよく出ています。
ストーリーのスリルを追い求めるよりは、宮舘さんや山本さんの素晴らしい佇まい、そしてコントラストの効いた美しい映像美をのんびりと楽しむのがおすすめの一本です。
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