【作品データ】
■ 作品名: 黒いドレスの女
■ 公開年: 1987年
■ ジャンル: 邦画、ハードボイルド、サスペンス
■ お勧め度: ★★★★★
【あらすじ】
暗い過去を背負い、静かに酒場を営むマスター・朝比奈(永島敏行)。ある日、追われる身のヤクザを海外へ逃がすために匿うことになるが、そこへ謎の若い女・ナオ(原田知世)が転がり込んでくる。彼女の出現をきっかけに、事態は激しい抗争と殺戮へと加速していく。ナオの正体は何なのか? そして朝比奈は無事に男を逃がし、自らの過去と決着をつけられるのか。
【ここがポイント!】
■ 北方謙三の世界観を見事に具現化した「最高の一作」
北方謙三さんの原作を映画化した作品はいくつかありますが、その中で間違いなく本作がナンバーワンです。 男たちの痩せ我慢、哀愁、そして暴力の予感。北方ハードボイルドの真髄がこれ以上ないほど見事に具現化されています。ファンならずとも、その完成度の高さに圧倒されるはずです。
■ 画面から漂う「映画の匂い」と当時の空気感
この映画の素晴らしさは、画面越しに漂ってくる「匂い」にあります。酒場のアルコール、煙草の煙、そして夜の街の湿った空気……。1980年代後半の、どこか退廃的でエネルギーに満ちた日本の空気感が作品に見事に溶け込み、最高の質感を醸し出しています。
■ 演技を超えた凄み、永島敏行と菅原文太の存在感
主役の永島敏行さんは、静かな怒りと過去を秘めた男の佇まいが最高に渋く、まさにハマり役。そして脇を固める菅原文太さんが放つ、本物の「筋者」のオーラ。お二方とも演技以上にその存在自体に深い雰囲気があり、物語のリアリティを極限まで引き上げています。
■ 原田知世の「モノが違う」圧倒的な可憐さ
当時の原田知世さんの輝きは、まさに別格です。最近のアイドルとは一線を画す、芯の通った透明感と気品。「可憐」の一言に尽きます。彼女がそこにいるだけで、殺伐とした男の世界に唯一無二の彩りが加わり、作品の大きな魅力となっています。
【最後の一言】
間違いなく、私の人生で見た映画のトップ5に入る一本です。少し人を選ぶ作風かもしれませんが、この渋さと美しさにハマれば、二度と忘れられない作品になるはず。