『行きずりの街』:ほし2つ。ダメだなこりゃ。見どころなし
■ お勧め度
★★☆☆☆(星2つ)
ストーリーが単純すぎて、種も結末もたいしたことがない。映像もいたって普通で、映画ならではの良さが見当たらない一本。
■ こんな人・ときにおすすめ
志水辰夫さんの原作小説のファンで、映像化の雰囲気を確かめてみたい人に。あるいは窪塚洋介さんのキレのある悪役ぶりをピンポイントで観たいときに。
1. 失踪した教え子を追う塾講師、過去の因縁との対峙
物語は、志水辰夫さんの傑作ハードボイルド小説を実写映画化したサスペンスです。
主人公は、中村トオルさん演じる塾講師。
ある日突然、失踪してしまった若い教え子の女の子を探し出すため、彼はかつて去った街へと舞い戻ります。
教え子の行方を追ううちに、恐ろしいトラブルに巻き込まれていき、やがて彼自身の暗い過去と向き合うことになっていくのですが……。
原作の重厚な世界観を期待させるシチュエーションから始まります。
2. 単純すぎるストーリーと、主演のキャスティングへの違和感
しかし、いざ映画として観てみると、ストーリーが単純すぎて深みがありません。謎解きの種も結末の描き方も、どれもたいしたことがなく、映像に関してもいたって普通です。
さらに気になるのが、主人公と中村トオルさんの雰囲気がアンマッチな点です。中村さんがちょっと爽やかすぎて、原作の主人公が持つ泥臭さや影のある雰囲気に今ひとつ合っていません。
そんな中で唯一の救いとなっているのが、窪塚洋介さんの存在感です。チャラい悪役というポジションが本当にピッタリで、独特の話し方、立ち振る舞い、醸し出す雰囲気が最高にハマっています。彼の演技だけは、作中で確かな見どころになっていました。
3. まとめ:文字で読むからこそ活きる、ハードボイルドの限界
全体を通して見どころが少なく、「ダメだなこりゃ」というのが率直な感想になってしまう仕上がりです。
「やっぱ、志水辰夫は、文字で楽しむ方がいいのかな」としみじみ感じさせられる作品でした。原作小説が持つあの濃密な心理描写や張り詰めた空気感は、映像ではなく小説の文章で味わうのが一番かもしれません。
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